まず、前回の【永住者】その1で御紹介した国益要件について確認します。
※原則として引き続き10年以上本邦に在留していること。ただし、この期間のうち、就労資格(在留資格「技能実習」及び「特定技能1号」を除く。)又は居住資格をもって引き続き5年以上在留していることを要する。(入管ガイドライン)
ここに記されている10年以上、5年以上とは申請時における在留期間で絶対的なものです。
例えば、引き続きの在留期間が9年11カ月の時点で申請し、審査期間中に10年を経過し、10年6カ月の時点で許可が下りた、なんてことはありえません。
「1か月くらいオマケしてくれないかな?」などの甘い期待は入管には通用しないのです。
さて以上が大原則なのですが、この原則が崩れて在留期間が緩和される特例があって、ここからが今回の本題です。

原則10年在留に関する特例
入管のガイドラインに8つのケースが公開されています。それぞれ10年以上の継続在留がどれだけ短縮されるのか見ていきましょう。
(1)日本人、永住者及び特別永住者の配偶者の場合、実体を伴った婚姻生活が3年以上継続し※注釈①、かつ、引き続き1年以上本邦に在留していること。その実子等の場合は1年以上※注釈②本邦に継続して在留していること一年以上に短縮
(2)「定住者」の在留資格で5年以上継続して本邦に在留していること5年以上に短縮
(3)難民の認定又は補完的保護対象者の認定を受けた者の場合、認定後5年以上継続して本邦に在留していること
5年以上に短縮
(4)外交、社会、経済、文化等の分野において我が国への貢献があると認められる者で、5年以上本邦に在留していること5年以上に短縮
(5)地域再生法(平成17年法律第24号)第5条第16項に基づき認定された地域再生計画において明示された同計画の区域内に所在する公私の機関において、出入国管理及び難民認定法第7条第1項第2号の規定に基づき同法別表第1の5の表の下欄に掲げる活動を定める件(平成2年法務省告示第131号)第36号又は第37号のいずれかに該当する活動を行い、当該活動によって我が国への貢献があると認められる者の場合、3年以上継続して本邦に在留していること3年以上に短縮
(6)出入国管理及び難民認定法別表第1の2の表の高度専門職の項の下欄の基準を定める省令(以下「高度専門職省令」という。) に規定するポイント計算を行った場合に70点以上を有している者であって、次のいずれかに該当するもの
ア 「高度人材外国人」として必要な点数を維持して3年以上継続して本邦に在留していること。3年以上に短縮
イ 永住許可申請日から3年前の時点を基準として高度専門職省令に規定するポイント計算を行った場合に70点以上の点数を有していたことが認められ、3年以上継続して70点以上の点数を有し本邦に在留していること。
3年以上に短縮
(7)高度専門職省令に規定するポイント計算を行った場合に80点以上を有している者であって、次のいずれかに該当するもの
ア 「高度人材外国人」として必要な点数を維持して1年以上継続して本邦に在留していること。
1年以上に短縮
イ 永住許可申請日から1年前の時点を基準として高度専門職省令に規定するポイント計算を行った場合に80点以上の点数を有していたことが認められ、1年以上継続して80点以上の点数を有し本邦に在留していること。
1年以上に短縮
(8)特別高度人材の基準を定める省令(以下「特別高度人材省令」という。)に規定する基準に該当する者であって、次のいずれかに該当するもの
ア 「特別高度人材」として1年以上継続して本邦に在留していること。1年以上に短縮
イ 1年以上継続して本邦に在留している者で、永住許可申請日から1年前の時点を基準として特別高度人材省令に規定する基準に該当することが認められること。1年以上に短縮
※注釈①
日本人、永住者及び特別永住者の配偶者の場合、実体を伴った婚姻生活が3年以上継続しの部分ですが、実体法上の身分関係を満たしていればOKなので【日本人の配偶者等】や【永住者の配偶者等】の在留資格を有することまでは求められていません。
例えば【技術・人文知識・国際業務】で在留している方でも日本人と婚姻していれば対象となります。
※注釈②
その実子等の場合は1年以上の部分ですが、【永住者】の子が日本国内で出生した場合は更に短縮できる可能性があります。下のチャートフローでご確認ください。なお、31日~60日の場合は【永住者の配偶者等】の許可可能性があります。60日を超えると「不法滞在者」に該当しますので要注意です。

タイトなスケジュールなので、素早くスタートを切りましょう!
30日以内に間に合わない場合は「パスポート申請中」として飛ばしSTEP3へ急ぎましょう!
【永住者】の審査には1年位かかります。その間は【永住者の配偶者等】で在留できるように必ずダブルで!