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外国人労務の注意点_言葉の壁 その表現は伝わりません

こんにちは!ハマの行政書士兼ハマの外国人雇用労務士です。
今回は外国人の雇用や労務を考える上で、避けては通れない「言葉の壁」について外国人に伝わりやすい表現、やさしい日本語をテーマに考えていきます。


採用した外国人が「言葉の壁」を理由に退職してしまう事例は後を絶ちません。
一般的に外国人は転職に対する抵抗感が日本人より遥かに低く、「上司や同僚とコミュニケーションが取れず、職場に馴染めない」と感じると、いとも簡単に職場を去ってしまうケースが多く見られます。
また、雇用主サイドから見ても「言葉の壁」に阻まれて、「指示や意図が伝わらない」ために、なかなか仕事を覚えてもらえずに業務効率が悪く感じられることが多いのではないかと思います。

やさしい日本語
言葉の壁を突破する方法として最も手っ取り早く、効果が高いのは「難しい言葉をやさしい言葉に変換する」ことではないでしょうか。
出入国在留管理庁と文化庁が共同作成した「在留支援のためのやさしい日本語ガイドライン」にそのポイントがいくつか紹介されていますので、一緒に見ていきましょう。(※ところどころに私見を入れています)

  • 一文は短くする(一文に言いたいことは1つだけ)
    例文:婚姻をするときは、役所に届出をし、届出が受理されると、婚姻が成立します。
    変換:結婚するときは、役所に「婚姻届」を出します。
        役所が「婚姻届」を受理すると、結婚が成立します。
  • 3つ以上のことを言うときは、箇条書きにする
    例文:入会をご希望の方は、窓口にお越しいただくか、ホームページでの申込み、または電話・FAXでお申し込みください。
    変換:入会をご希望の方は、3つの申込み方法があります。
        ・窓口での申込み
        ・ホームページでの申込
        ・電話・FAXでの申込み
  • 回りくどい言い方や不要な繰り返しはしない
    例文:問題があるということになる
    変換:問題がある

    例文:調査を実施した
    変換:調査した
  • 外来語(カタカナ語)はできる限り使わない
    外来語は、「バス」、「ガス」、「テレビ」など、外来語以外に適切な日本語がない場合のみ使用します。
    外来語には、原語と意味や発音の異なるものが多いため、使うときは注意が必要です。
    例:スキーム➡計画 コンセンサス➡合意 デリバリー➡配達
    (※困ったことに、このての外来語をやたらと使いたがる人がいるんですよね)
  • 二重否定を使わない
    「~ないことはない」「~ないわけではない」「~以上/以外は必要ない」などの二重に否定する表現はわかりにくくなります。
    例文:在留カード以外は必要ありません。
    変換:在留カードを持ってきてください。
    (※「ないとも言えない」「ないとも限らない」もありますね)
  • 受身形や使役表現をできる限り使わない
    行動の主体(視点)がわかりにくくなるので、できる限り使わないようにします。
    例文:住民税は、市町村で課税されます。
    変換:住民税は、市町村へお金を払います。
  • 簡単な言葉を使う(難しい言葉を使わない)
    なるべく漢語は使わず、和語をつかう
    例文:こちらに記入願います
    変換:こちらに書いてください

    抽象的な言葉は使わない
    例文:お手続きは、休日はなるべく避けてください。
    変換:平日に手続きをしてください。

    略語は使わない
    例文:検診は年1回となります
    変換:健康診断は1年に1回です。

    ローマ字は使わない
    外国人は、必ずしもローマ字を日本語の発音のとおりに読めるとは限りません
    (※アルファベットを使用するので、なんとなく読めるように錯覚するだけ。実際はほぼ読めない、と考えたほうが良いです。)
  • 曖昧な表現はできる限り使わない
    曖昧な表現を多用しない(例:くらい、ごろ、など)
    例文:ごみ収集車は、月曜日の9時ごろに来ます。
    変換:ごみを集める車は、月曜日の午前8時30分から午前9時30分までに来ます。
    (※8時30分9時30分の表記も避けたほうが良い。ではなく、からを使う)

    複数の意味を持つ表現は使わない
    例:結構です➡①良いです②要りません ①②どちらの意味も持つので使わない

    推測表現を使わない
    「おそらく」「ようです」「ではないでしょうか」「可能性があります」「おそれがあります」などの推測表現は使用を避け、断定的な表現にします。
    断定的な表現ができない場合には「~かもしれません」、「たぶん~です」を使います。
  • 文末は「です」「ます」で統一する
    尊敬語、謙譲語は使わず、敬語は丁寧語だけにします。
    例文:お越しいただく必要はありません。
    変換:来なくてもいいです。
  • 重要な言葉はそのまま使い、<=・・・>で書き換える
    言い換えが難しいときは、その言葉を説明するようにします。災害用語や日常生活でよく使う言葉など、知っておくとよい言葉はそのまま使い、言葉の後に説明を加えます。
    例:余震<=後から来る地震>
    例:暗証番号<=あなただけが知っている番号>
  • 漢字の量に注意し、ふりがなをつける
    例:じゅうみんぜいを払はらいます。
    例:住民税(じゅうみんぜい)を払(はら)います。
    (※ふりがなはひらがなを使用し、カタカナは避けたほうが良いです。カタカナを苦手とする外国人は一定数います。)
  • 時間や年月日の表記はわかりやすくする
    元号は使わずに西暦を使い、/を使わない
    悪い例:令和2年6月4日
    悪い例:2020/6/4
    良い例:2020年6月4日

    12時間表示を原則とし、午前・午後を明記する(24時間表記でもよい)
    9時から18時までよりも、午前9時から午後6時までとしたほうが良い

さて、いかがでしたでしょうか?
今回ご紹介した例文以外にも入管のHPには「別冊やさしい日本語 書き換え例」https://www.moj.go.jp/isa/content/930006077.pdfがありますので、外国人とのコミュニケーション度UPにお役立てください。

外国人雇用に関する在留資格のご相談は是非入管業務専門の行政書士までお問い合わせください。
ではまた別記事でお会いしましょう!

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この記事を書いた人

横浜石川町の行政書士 横浜ビザセンターです。
初回相談60分無料

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