国内の中長期滞在者を採用するケース

まずは、現に日本国内に在留している外国人を採用する場合を見てみましょう。
この場合は求職者の国籍にかかわらず、日本人と同様な方法で求人し採用することができます。例えば、ハローワークや「職業紹介事業者」を利用して求人したり、SNSや広告を出して直接募集しても構いません。
ただし、実際に就労するためには、その内容に合った在留資格を所持していることが大前提なので、「在留資格変更申請」が必要になるケースもあります。
「中長期滞在者」であれば、採用後にそのまま就労することも可能ですが「短期滞在者」は就職活動はできるものの「収入を伴う事業を運営する活動又は報酬を受ける活動」はできません(入管法:19条1項)
また「人道上の真にやむを得ない特別の事情(例えば病気治療をする必要がある場合など)」がなければ、期間の延長も他の在留資格への変更もできませんので、
採用決定⇒いったん帰国⇒就労資格を持って再来日⇒就労の流れになります。
海外から人材を呼び寄せる場合

次に国外の人材を日本へ呼び寄せる場合について見てみましょう。
図に登場するプレイヤーは
①日本国内の受入れ機関
②日本国内の職業紹介事業者
③相手国の送り出し機関
④相手国にいる求職者(相手国の国籍を持つ者には限定されません)
の4者です。
「日本国内に在留している外国人に対するように①から④に直接アプローチすることはできるのでしょうか?」という問い合わせをよく受けます。
②と③を介さないので、雇用にかかる費用も抑えられそうですが・・・
実はこれ相手国側の取次制度次第なんですよね。いわゆる先進国は規制が緩やかで割とOKとなるケースが多いんですが、現在の海外人材の供給源である大多数のアジア諸国ではNGなんです。
NGの理由を上の図を使ってこれから説明しますが、相当ややこしいので面倒な方は読み飛ばし、「ふーん、アジア人材はダメなのか」と諦めて職業紹介事業者をご利用することをお勧めしますw
①と④だけで完結
相手国の取次制度において人材を日本へ送り出すことに許可が不要で、MOC(2国協定)にも抵触しなければ可能。ただし、多くのアジア諸国では許可制になっているため現実的には難しく、相手国から認められた③を通す必要が生じる。
(相手国側の法令とMOCに縛られる)
②を省き①と③④で完結
これ、一見できそうなんですが、実は日本の職業安定法の規制は海外の業者である③にも及ぶので、職業安定法の許可をもっていない③は①に対しあっせん行為はできないのです。
ここで、職業安定法の許可をもっている②を通す必要が生じます。
(職業安定法に縛られる)
①②③④が揃うと
②と③は「送り出しに関する取り決め」を結ぶことにより、A・B両方の縛りから解き放たれ、④を①にあっせんすることが可能となります。
このように、どうしても中間に入るプレイヤーの分だけ採用コストがかかってしまうのが現実のようです。
極まれな例外ケース
極めて稀ですが、①が自ら相手国の送り出し許可を持っている場合もあるようです。
この場合は③は不要となりますが、相手国から送り出しの許可を取るのは相当ハードルが高そうです(全部とは言いませんが、とかく悪評の多い③が多いのも事実です。できれば③はスルーしたいけど、ハードルが高過ぎて妥協している①も多数いると想像します)
職業紹介とは、職業安定法第4条第1項において「求人及び求職の申込みを受け、求人者と求職者との間における雇用関係の成立をあっせんすること」と定義されていて、これを業とする者が「職業紹介事業者」です。ハローワークや大学のキャリアセンターなどの無料職業紹介事業者も一部ありますが、大多数は雇用関係の成立をあっせんすることによって報酬を得る有料職業紹介事業者です。(派遣業者とは全くの別物です)
厚生労働省による許可制ですが、海外に渡ってあっせんするには相手国ごとに別途届出が必要です。届出ていない国からのあっせんはできません。
「厚生労働省職業安定局・人材サービス総合サイト」で全国の「職業紹介事業者」を検索できます。(2026年10月時点で約38,000の事業者が登録されています。)
届け出ている場合には相手の国名も登録リストに載っています。
