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研修ビザってナニ?_技能実習とは似て非なるもの

こんにちは、ハマの行政書士です。
今回のテーマは【研修ビザ】です。

【研修ビザ】は本邦の公私の機関により受け入れられて行う技能等の修得をする活動をするために設けられた在留資格です。在留期間終了後は帰国し、身に着けた技能等を活用することを目的としています。これだけ見ると、【技能実習ビザ】と同じじゃん!となりそうですが、両者にはいくつか違いがありますので、まずはそこから説明します。

※本ブログでは一般的な呼び方にならって各種の在留資格を【〇〇ビザ】と表記している場合があります。

目次

【研修ビザ】と【技能実習ビザ】の比較

両者の最大の違いは【技能実習ビザ】が就労系在留資格であることに対し、【研修ビザ】は非就不能な在留資格である点です。この為に下表のような違いがでてきます。

【研修ビザ】【技能実習ビザ】
雇用契約の締結不要必要
金銭の支給方法研修手当として支給賃金として支給
労働関係諸法令の適用適用外(準拠することは必要)適用される
実務研修※原則としてできないできる

※実務研修は一般企業では一切できませんが、国や地方公共団体,国際機関,独立行政法人など一部の機関が運営する事業では限定的(研修の内容に実務研修を取り入れる場合は,研修全体の3分の2以下とする)に認められています。

【研修ビザ】の特徴

研修内容
一般企業では実務を伴った研修は一切できない規定がありますが、それではどのような研修ならば可能なのでしょうか?その要件をみてみましょう。

研修目的の技能や技術など、同一作業の反復のみによって修得できるものではないこと。(簡単に習得できるものならば、わざわざ研修する必要はないでしょ!というロジック。黙々とライン作業をするようなことはNGです
研修を受ける人が18歳以上で、帰国後に日本で修得した技能や技術などを必要とする仕事に就くことが予定されていること。(帰国後本邦において修得した技能等を要する業務に従事することを証する文書を提出する)
研修を受ける人の国や地域では、研修を受けることが困難な技能や技術などを修得しようとすること。(自国で身につけられる技能・技術ならば、わざわざ日本で研修する必要ないでしょ!というロジック。)
研修の内容について5年以上の経験を有する研修指導員が指導すること。
研修が続けられなくなった場合には、直ちに研修先が入国管理局にそのことと今後のことについて報告すること。
研修先または研修のコーディネーターが、研修を受ける人の帰国費用の確保などの措置を講じていること。
研修先が研修の実施状況に係る文書を作成し備え付け、研修が終了した日から1年以上保存すること。

他にも、受入機関の受入れ体制が十分に整っていることが必要です。研修生が技能を学ぶための設備や実施場所が確保されていること、カリキュラムの策定や生活指導など研修実施のための事務を行う体制があることが求められます。

在留期間
在留期間は1年・6ヵ月・3ヵ月のいずれかですが、1年を超える研修を実施することに合理的な理由がある場合は、2年まで認められます。在留期間終了後は「本国に帰って研修で身に着けた技能・技術を活用する」ことを目的としているので、在留資格の変更は原則認められません。例えば【技術・人文知識・国際業務ビザ】へ変更して「引き続き日本で就労する」ことは「本国に帰って研修で身に着けた技能・技術を活用する」という【研修ビザ】の前提が崩れてしまうため認められないのです。ただ、例えば研修期間中に日本人と結婚し【日本人の配偶者等】の身分系在留資格を取得した場合のように例外的に認められるケースもあります。

再研修
一度研修ビザで研修を終えて、再度研修ビザを取得しようとする場合、通常の審査要件に加えて以下の要件が必要になります
前回の研修に関連する技術等または上級の技術等の修得が目的であること
前回の研修で学んだ技術等が、本国において相当の期間日本での研修期間と比べてあまりに短い場合はNG)活用されていること
前回と全く異なる業種に関する研修ではないこと

さて、いかがでしたでしょうか?
【研修ビザ】に限らず、複雑で面倒な入館手続きにお悩みの方は是非入管業務専門の行政書士にご相談ください。
それではまた別記事でお会いしましょう!

行政書士 横浜ビザセンターでは初回相談60分無料で受付中👇

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この記事を書いた人

横浜石川町の行政書士 横浜ビザセンターです。
初回相談60分無料

コメント

コメント一覧 (1件)

  • […] こんにちは、ハマの行政書士です。今回は【技能実習ビザ】を取り上げます。すでにご存じの方も多いとは思いますが、2024年6月に可決成立した「育成就労」制度の新設により、近い将来消滅することが予想される在留資格です。ただし、改正法の施行は2026~2027年あたりと言われていますので、それまでは現行の「技能実習」制度が残存します。【技能実習ビザ】は【特定技能ビザ】や【研修ビザ】と似ている点が多く、混乱しがちですが比較しながら見ていくことでそれぞれの違いをシッカリ理解しましょう!【研修】との比較は別記事にまとめてありますので こちらでご確認ください※本ブログでは一般的な呼び方にならって各種の在留資格を【〇〇ビザ】と表記している場合があります。 […]

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